【台東区×豊後大野市】活弁の舞台へ

浅草を中心に活躍する『活弁士』麻生子八咫(あそうこやた)さん。
父である麻生八咫(あそうやた)さんの出生の地である大分県豊後大野市にて、『浅草パラダイス』が上演されました。
市政施行20周年を記念した本公演では、地元高校の神楽部の出演や「乾しいたけの唄」といったユニークな演出も織り込まれ、笑いと感動があふれる特別な時間となりました。
この舞台が開催された豊後大野市は、NODDの拠点である台東区と“友好都市”として結ばれており、本プロジェクトは両地域をつなぐ文化交流の一環としても位置づけられています。
舞台を彩る、障害福祉アート
今回の舞台幕を彩ったのは、台東区社会福祉協議会と共に区内の障害福祉事業所と共に取り組んだ、障がいのある方々によるアート作品です。
麻生子八咫さんといっしょに舞台のストーリーに係る天岩戸伝説や豊後大野の名産である、干し椎茸やかぼすなどを各々の感性で描いていただきました。
一点一点は、自由に描かれた絵。
それを元にNODDデザインによってさらに良さが引き出され、一枚の舞台幕へと完成されました。
障がいのある方の描く絵は、完成された“正解”ではなく、見る人の感性にゆだねられた“想像の余白”があります。
それはまるで小説を読むように、自分自身で意味を考え、感情を重ねることができる自由な表現です。
今回の舞台では、そうした余白を抱えたアートが幕として空間を包み、観客と舞台のあいだに新たな対話を生み出しました。
アートがつなぐ地域とこころ
舞台幕の元になった原画は舞台外でも展示され、訪れた方が完成形と見比べられました。
地元の子供達も多く参加する舞台。
活弁、神楽、オペラ、障がい者アート――ジャンルや地域を越えて生まれた共創の場は、文化の多層性と可能性を感じさせる瞬間となりました。
台東区と豊後大野市という2つのまちをつなぐこのプロジェクトは、NODDが掲げる「アートを社会にひらく」という理念の実践でもあります。
豊後大野市との次なる取り組みは、もう動き出しています。
今後もNODDは、地域、福祉、文化を結ぶ架け橋として、多様な表現を社会に届けていきます。